2020年東大附属中受検を振り返る
こんばんは。さつきです。
東大附属中受検から10日たち、否が応でもあきらめがつきました。
息子はとうに結果を受け入れ、新生活を心待ちにしています。
過去問を解いていても今一つだった息子ですが、実は本番は少しだけ手ごたえがありました。
驚異的な受検者数でしたが、「もしかしたら…。」なんて淡い期待を抱いていたこともあり、私のほうがダメージ大きかったです。
息子の前では平然としていますけれど…。
2020年東大附属中入試を個人的に振り返る
気持ちを切り替えて、推薦選抜後と同様に一般選抜の振り返りもしてみます。
東大附属中は情報の少ない学校なので、来年以降受検を検討されている方に少しでも参考にしていただければという思いもあります。
そうは言っても我が家は推薦、一般ともに残念でしたので、さほど参考にならないかもしれません。
気楽にご覧いただければ幸いです。
適性検査は難問ではない
東大附属中の過去問をご覧になった方ならばわかると思いますが、適性検査はそう難しくはありません。
小学校で習うことを中心に復習し、適性検査型の問題に慣れておけば良いのではないでしょうか。
そして、答えを知らなくとも、しっかり問題を読めば正答できることもあったりします。
問題をじっくり読めば答えにたどりつけることも
それぞれ川の名前は明記されています。
そのうえで3枚の写真が提示されており、どの写真がどの川か答えるというもの。
下流の名前は一般的なので知っている人がほとんどだと思いますが、上流、中流の名前までは記憶できていないかもしれません。
聞いたことのない川の名前を目にして「どうしよう。分からない。」と慌ててしまうお子さんもいるでしょう。
しかしこの問題、川の名前が分からなくても、
〇上流は山間部を流れているために大きな石があって、水量は少なく流れが急である
〇中流では大きな石は少なくなり、水の流れはかなり緩やかになる
〇河口付近である下流は川幅が広くなって水量が増え、水流はさらに緩やかになり、石は少なくなって砂や泥が多くなる
ということが分かれば答えることができます。
またはお子さんが経験していれば答えることができます。
この問題を息子は簡単に正答できました。
我が家は遊園地よりも外遊びが好きで、山も川も海へも良く出かけます。
実際に目で見た経験があるというのは強いな、と感じました。
低学年のうちは勉強よりも多彩な経験をさせるほうが 良い
東大附属中について検索していた時に、どなたかが「美術館や博物館に出かけて感性を磨いた」というようなことを書いていました。
この学校の作文では、大人の私でも一瞬考えてしまうような抽象的なタイトルで自身の考えを書くように求められることがあります。
このような問題では、子供がどんな発想をするのか見ているのではないかと推測します。
絵でも音楽でも、子供の感受性を刺激するような働きかけは東大附属中受検には有効でしょう。
海や川や山で遊んで、メダカやクワガタを育てて…。
息子には芸術的な要素が足りませんでしたね。笑
実技は問題を正しく理解できるかがカギ
東大附属中といえば、名物ともいえる推薦選抜の面接、一般選抜の実技を攻略しなければなりません。
面接についてはこちらで書いているのでよろしければご覧になってください。
実技は過去問を自宅(または塾)で絶対に再現するべし
私立中だと過去問をさかのぼれば割とその学校の傾向が見えてきます。
数年は出題形式が同じ場合が多いので対策も立てやすいのです。
ところが東大附属中は毎年傾向を変えてくるので対策のしようがありませんでした。
でも、実技については絶対に過去問を再現してください。
もちろんこちらも毎年変えてくるのですが、過去問を解いてみると気づくことがあります。
やたらと注意事項が多い。
それもあえて分かりにくくしている感じ。
「ポップアップカードを作る」という実技を再現した時のことです。
注意事項(ポップアップカードを作るにあたって守らなければならないこと)が何行にもわたって文章で書かれていました。
私はその文章を読んでいて思わず
「どうしてこんな風にだらだらと文章で書くんだろうね。サイズだけでも表にしてくれれば分かりやすいのに。」
と、口にしていました。
そして気づいたのです。
あえてそうしているのかも。
長々と書いてある文章から、指示をしっかり読み取って答えられるかを確認したいのかもしれない。
そう考えてからは、息子に「大切なところには線を引き、具体的な指示には丸を付けて」実技に取り組むように伝えました。
例えば「カードの外側に受験番号を書く」とか「イメージに合った字体・書き方」などには線を引き、「4個の立体」「90度で並ぶ」「一片の長さは3cm」には丸を付けるといった感じです。
先入観で実技に取り掛からない、問題の意味をよく考える、ということを意識して繰り返し実技を再現しました。
2020年の実技は「立体を作る」
今年の実技は、近年出題されていた音楽の問題はなく、2問とも立体を作るというものでした。
渡された用紙は3枚。1枚は予備です。
息子曰く第1問は簡単だったと。
指示に従って立体を作る問題でした。
第2問を見たときは戸惑ったそうです。
図A~Cの指示に従って立体を1つ作るという問題でしたが、用紙は予備を除けば1枚です。
図A~Cのどれか1つを作るのかなと考え、図Aを見たら切り線しかない。
あまりにも簡単すぎると不安になり、問題を読み返すと図A~Cのどれか1つを作りなさいという指示は一切なく「用紙1枚を使って図A~Cの指示に従い立体を1つ作る」と書かれていることに気づいたそうです。
図Aの切り線を入れてから図Bを見ると、図Bの山折り線はすべて図Aの切り線に重なっている。
ならば図Cの谷折り線も重なるのかと思ったら、図BとCは大きさが違っており、一度は自分が間違っていると思ったそうです。
もう一度よく見ると図BとCは大きさが違うものの、指示されたサイズは同じ。
図BとCは同じページの上下に並んでいます。
同じ大きさだったら分かりやすくなってしまうから、わざと変えているのだと思い、慌てて作ったけれど完成までには至らなかったとのことでした。
実技の問題を見て、私も問題の意図をすぐには読み取れませんでした。
息子が鼻息荒く実技の解析をしているのを聞き、「そうかもしれない」と思いました。
まだ過去問の解答が出ていないので息子の考えが正しいのかは分かりません。
ただ、こんな風に考えることができたのは、過去問を解いていたからに違いありません。
ややこしい問題から、抜け落ちてはいけない指示をしっかり読み取る訓練。
ぜひ、やってみてください。
不合格ではあったけれど
息子以上に私が熱望していた東大附属中。
グラウンドからの眺めを思い出すと、まだもやもやしてしまいます。
「あそこに合格するのはさ、すごい奴らなんだよ。」
息子が笑顔でそう言うので救われました。
残念ながら入学することのなかった東大附属中。
今年合格したお子さんはもちろん、来年受検予定のお子さん全員を応援しています。
さつき